20131111

【和訳】The Killers - Human

(アルバム"Day & Age"より)



Are we Human? Or are we Dancer?という、この曲のモチーフであり印象的なフレーズは、現代アメリカ社会を悲観して表現したHunter S. Thompsonの言葉「a generation of dancers(踊り子たちの世代)」から着想を得たと説明されています。

※dancer
「踊らされている」という意味でこの言葉が使われています。訳はそのままダンサーと読みました。humanもdancerも単数形なのは文法の誤りではなく形容詞として使われているからです。

ちなみに複数形・単数形の問題でdancerをdenser(=うすのろ)と勘違いするファンが続出したことから、バンドが公式に"dancer"であると表明したという逸話があって、ブランドンはこの騒動について「何でこんな混乱が起きたのか分からない」とRolling Stone誌に発言。これまでと違うダンスビートの曲への批判に対しても「これはダンスソングで、ビートがコーラスに従うのは当然。二つを切り離して考えるなんてバカそのもの」と困惑気味でした。

Hot FussがUKインディー色全開で売れた一方、Sam's Townはアメリカ的な要素を重視してかなり批判され、売り上げも前作を大幅に下回っているらしい。とはいえ、わたしはSam's Townからファンになったわけで、むしろHot Fussは買うまでMr. Brightsideくらいしか知らず、いまだにDay & Ageと同じレベルのアルバムと考えているのですが。
結果的にはSpacemanと共にMr. Brightsideに並んでThe Killersを代表する一曲になったこの曲。Day & Ageは全体的に、悩みながら、もがきながら、時に逃避しながら、正しく生きる道を探しているというような印象を受ける内容のアルバムで、やや現実的なLosing Touchから想像的なSpacemanへ、そこから続く寓話的な世界観への橋渡しとしても重要な意味があるのかなあと感じます。明るくロマンチックな曲調に鋭さや感傷に加えナルシシズムを含んだ歌詞っていうのがThe Killersらしくて大好き。

Just Another Girlのビデオでは大事な冒頭シーンで登場。ダイアナ・アグロン扮するブランドンがバンドを背に歌いながら、時折見せるブランドンイズムな仕草が笑えます。

NMEに寄稿されたブランドンによる楽曲解説から引用。

Humanは世間で議論の的になるずっと前からThe Killersの中で議論の的になっていた。バンドに多少の問題を招いたりもした。誰かをバスから追放する…なんてことにはなかったけど、しばらくの間、僕とロニー 対 デイヴとマークの間で対立が起きてた。みんながそれぞれにこの曲を守ろうとしてたんだ。僕にとってこの曲の持つ意味は、"Sam's Town"に関する批評への反応だった。この曲は単に"バブルガム・ポップ"というだけじゃなくて ―とてつもない破壊力がある曲で、思いきり(デヴィッド・)ボウイっぽいと思ってた。だけど結局この曲に別の方向性を見つけるに至って、スチュアート・プライスも素晴らしい仕事をしてくれた。デイヴのギターパートも素晴らしい。天才的だね。想定外って感じ。だって誰もギターの音だって気付かないんだから!想像力に富んだ、ユニークなギターだ。


いつかのインタビュー映像で「あなたは人間ですか?ダンサーですか?」というファンからの質問に「どっちだろう」と笑っていたブランドン。The Killersを聴いてるときくらいは、ダンサーになってもいいんじゃない?



I did my best to notice
When a call came down the line
Up to the platform of surrender
I was brought but I was kind
聞き逃すまいと待っていたところに
呼び出しがかかった
服従のプラットフォームへ
引きずり連れて行かれても
僕は寛大な心で従った

And sometimes I get nervous
When I see an open door
Close your eyes, clear your heart
Cut the cord
開かれた扉を目の前にして
緊張してしまうこともある
目を閉じて
心を空っぽにして
繋がれた糸を断ち切るんだ

Are we human? Or are we dancer?
My sign is vital but my hands are cold
And I’m on my knees looking for the answer
Are we human? Or are we dancer?
僕たちは人間だろうか?
それともダンサーだろうか?
息はまだある
けれど両手はとても冷たい
答えを求め跪く
僕たちは人間だろうか?
それともダンサーなのだろうか?

Pay my respects to grace and virtue
Send my condolences to good
Give my regards to soul and romance
They always did the best they could
恩寵と美徳に敬意を
善良さに弔意を
情熱とロマンスに よろしく伝えておくれ
全力を注いでくれたから

And so long to devotion
You taught me everything I know
Wave goodbye, wish me well
You gotta let me go
永遠の愛にさよならを言おう
君の教えこそ今の僕が知るすべて
さよならと手を振って
どうかこの先の幸運を祈っておくれ
繋いだ手を離して

Are we human? Or are we dancer?
My sign is vital but my hands are cold
And I’m on my knees looking for the answer
Are we human? Or are we dancer?
僕たちは人間だろうか?
それともダンサーだろうか?
息はまだある
けれど両手はとても冷たい
答えを求め跪く
僕たちは人間だろうか?
それともダンサーなのだろうか?

Will your system be alright?
When you dream of home tonight
There is no message we’re receiving
Let me know is your heart is still beating?
今夜 故郷の夢を見るとき
君の回路は無事だろうか?
メッセージは一通も受け取っていないよ
まだ君の心臓は動いているのだろうか
教えてくれないか

You gotta let me know
教えておくれよ

Are we human? Or are we dancer?
My sign is vital but my hands are cold
And I’m on my knees looking for the answer
Are we human? Or are we dancer?
僕たちは人間だろうか?
それともダンサーだろうか?
息はまだある
けれど両手はとても冷たい
答えを求め跪く
僕たちは人間だろうか?
それともダンサーなのだろうか
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