わたしがDisney Channel Original Movieの中で一番好きな映画「彼女はホログラムスター」。Pixel Perfectという原題は、「絵に描いたように完璧」という意味の"picture perfect"のもじり。ちなみに2004年に放送されたこの映画は、DCOMの記念すべき50作目なんだそうです。
主演は当時「22世紀ファミリー ~フィルにおまかせ~」で主役のフィルを演じたリッキー・ウルマン。今はブルックリンを拠点にDJをやったり、レニー・クラヴィッツの娘のゾー・クラヴィッツのバンドに参加したり、本名のレイヴィヴ・ウルマン名義で俳優活動も続けてます。今も変わらず格好良いです。22世紀ファミリーで共演したアリソン・ミシャルカとは今でも仲良しで、前にアリソンのInstagramにランチ中の写真が投稿されてました。ちなみにアリソンは妹のAJと組んでるバンド78violets(元Aly&AJ)で今も音楽活動を続けてます。
最後に観たのは何年も前なのに、今でもはっきり内容を思い出せるくらい凄く面白かった。ディズニーチャンネルでは今もたまに再放送してるみたいです。DVD出してほしい。
世間では特にオーランド・ブルームの吹き替えで有名な平川大輔さんが主人公ラスコーの声を担当しています。だから平川さんの声を聞くと今も必ずフィルとラスコーの顔を思い出す。
ラスコーの親友で本作の準主役であるサマンサを演じたリア・パイプスは、17歳のカルテの頃のアンジェリーナ・ジョリーを子どもっぽく感じで、すごく可愛い。
ラスコーが作ったホログラムの女の子ロレッタ役はスペンサー・レッドフォード。完璧な見た目の女の子という設定通り、本当に完璧。この頃のディズニーはまだブロンドがヒロインの定番だった。役名はビートルズのGet Backに出てくるロレッタから。
今回劇中歌を訳したのですが、映画の内容にリンクしてる歌詞が多いので、海外サイトを参考に、あらすじと共にまとめてみることにしました。
もちろん子ども向けなので設定がぶっ飛んでたり、ご都合主義な部分も多少はあるものの、「君は完璧じゃないから素敵なんだよ♪」という実にディズニーらしいメッセージにちゃんと納得できる脚本です。ホログラムは光の塊に過ぎない存在なのか、人格を持つ個人なのか、揺れまくる主人公の気持ちが丁寧に描かれていて、子ども騙しな感じがしない。
当時はホログラムがロックスターになるなんて絶対有り得ないと思っていましたが、ボーカロイドが売れまくってる現状を考えると、近い未来には有り得ない話でもないのかなと思えてくる不思議。
ここから完全にネタバレです。
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ラスコーはパソコン好きな頭の良い少年で、離婚して独り身になった父親と二人で暮らしている。父親はソフトウェアの開発者だが、この頃は仕事が上手く行かず、別れた元妻が社長を勤める会社スカイグラフとの契約を打ち切られるのではと悩んでいる。
ラスコーは自室でパソコンに向かい、親友のサマンサとライブカメラで会話をしながら、父親が開発したソフトウェアで遊んでいる。専用装置が備え付けられたテーブル上にホログラムの猫が現れ、ラスコーが設定を操作すると、猫の毛色が次々に変わっていく。しかし猫が外へ飛び出そうと窓に近付くと、一瞬でその姿が消えてしまう。
サマンサが友人のシンディとレイチェルと共にギターボーカルを務めるアマチュアバンド「ゼッタバイツ」は、出演するコンテストの待機中に、大物プロデューサーのダリル・フィブスがスカウトに来ると知らされる。ラスコーが応援のため会場に到着し、ゼッタバイツの演奏をビデオカメラに収める。バンドが順調にパフォーマンスをこなす最中、審査員が演奏を止めるように指示し、ダンスを披露するようサマンサに要求する。サマンサは戸惑いながらもダンスを踊るが、審査員は首を横に振る。
ボーカルの才能やギターの実力があるにも関わらず、バンドの成功のためにはダンスが必要だと告げられたサマンサは落胆し、一行は会場を後にする。見映えよりも重要なのは音楽の実力だと主張するサマンサに対して、見映えも表現のひとつだと主張するラスコーは彼女に踊れるボーカルの募集を勧め、二人は仲違いする。
自宅に帰ったラスコーは父親にサマンサとの仲を尋ねられ、彼女には確かに長所があるが、同時に無視できない欠点もあり、完璧な存在ではないと答える。自室に戻りホログラムの猫をいじりながら、審査員の言葉を思い出す。ふと思い付いたラスコーはパソコンで写真を切り貼りし、CDから抽出した音声をミックスし、歌って踊れる完璧なホログラムを作って、美人な彼女をロレッタと名付ける。
ある日サマンサ宅でゼッタバイツのボーカルオーディションが開かれるが、有望な応募者が現れないことでバンドは行く末を悲観する。そこへラスコーが現れ、飛び入りの参加者としてロレッタを紹介する。ロレッタは驚くようなパフォーマンスでメンバーを圧倒する。握手をしようと近付いたサマンサの身体がロレッタの身体をすり抜ける。
バンドはラスコー宅に移動し、ラスコーはパソコンに向かってロレッタの服装を次々に変えながら、ロレッタについて説明する。ロレッタが窓の外に片手を出すと、腕が消えてしまい、ホログラムは室内でしか使えないことを念押ししつつ、彼女を諌める。父親が帰宅し、ラスコーは急いでロレッタをボトル型の蓄電池に収納し、深夜に壊れた腕の修復作業に取り組む。新生ゼッタバイツが学校のダンスパーティーに出演することになり、ロレッタのパフォーマンスがお披露目になる。サマンサは乗り気ではなかったが、会場は大いに盛り上がる。
シンディとレイチェルがロレッタを気に入った一方で、サマンサは彼女の完璧さや、ラスコーが自分よりも彼女を大切にしていることに嫉妬を覚える。ロレッタはラスコーに自分が存在する理由を尋ね、彼はバンドのためと答える。すると今度は彼が存在する理由を尋ね、彼は完璧な女の子に出会うため、ロレッタを作るためと答える。
ある日ラスコーはロレッタを紹介してほしいと同級生に頼まれ、サマンサを連れてグループデートに出掛ける。一行がダイナーで食事をしている最中、ソフトウェアのプログラムが改変されていることに気付いた父親がラスコーに電話をかけ、彼を叱責する。ラスコーが席を外した際にプログラムのエラーが発生し、ロレッタがバグを起こす。サマンサがその場を取り繕い、戻ってきたラスコーが間一髪の所でロレッタを修復する。サマンサは複雑な思いを抱きながらも、父親に見つかってデータを消されることを恐れるラスコーに頼まれ、ロレッタの蓄電池を預かる。
サマンサが宿題をする側で、ロレッタは回答の誤りを指摘し、二人は口論になる。知識量を自負するロレッタに対し、サマンサは知識と経験から得た学びの違いを指摘する。そこへ現れたラスコーが険悪な雰囲気を察知し、サマンサに新曲を聞かせるよう促す。彼女はしぶしぶ弾き語りを始め、ロレッタは笑顔で聴き入る。再びコンテストに出場したゼッタバイツは新曲を披露し、アマチュアナイトへの挑戦権を手に入れる。
ある日サマンサが一人ラスコーの部屋で作業デスクに散らばる写真やCD音源を眺めていると、その中に自分の写真を見つける。帰宅したラスコーを問い詰めると、彼はロレッタのデザインにサマンサの耳を使ったと白状し、サマンサは憤慨して部屋を出る。アマチュアナイトでの演奏は順調だったが、最後の最後でロレッタの映像に乱れが生じ、彼女がホログラムであることが観客に見破られてしまう。しかし一瞬の沈黙の後、会場は拍手に沸く。ロレッタの存在について世間の意見は賛否両論であるが、一躍有名になったバンドは忙しく活動し、ラスコーは裏方としてバンドを支えながらロレッタの改良を重ね、そのうち彼女を人間と同じく人格を持つ存在と考えるようになる。サマンサはますます完璧になっていくロレッタや彼女を人間扱いするラスコーに苛立ちを募らせる。一方でロレッタは自身のアイデンティティーに疑問を抱くようになる。
フィブスの指揮の下、バンドはハーシュトン・レコードのスタジオでレコーディングを行うが、フィブスはロレッタ以外のメンバーのパフォーマンスに納得が行かず、数十テイクの試みも成果に至らない。ロレッタはメンバーを責めるフィブスに対し"自分の"バンドを変えようとするなと発言しサマンサの怒りを買い、ラスコーはロレッタを自分のもののように扱うフィブスに対し反発心を覚える。ラスコーに再びロレッタを預かるよう頼まれたサマンサは彼を拒絶し、一人スタジオを去る。
ラスコーが自室を空けた隙に父親がロレッタを見つける。父親はロレッタの製品としての出来映えを称賛するが、ラスコーは彼女を人と認めない父親に反発する。フィブスに完璧と太鼓判を押されたロレッタは上機嫌で自作の曲を披露するが、それは既出の楽曲を継ぎ接ぎしたものであり、ラスコーは彼女の行為を責めるが、ロレッタは既存のデータを継ぎ接ぎして彼女を作ったラスコーの行為との違いを問う。
答えに困ったラスコーが新しいソフトウェアの追加を申し出たことに腹を立て、ロレッタはインターネットの世界に逃げ込み、自身をメールに添付してサマンサのパソコンに送信する。ロレッタの失踪に取り乱すラスコーは、彼女に恋愛感情を抱いていた自分に気付く。ロレッタの居場所を突き止め自分の元を訪れたラスコーに対し、サマンサは自分は本物の人間であり、ロレッタはそうではないのだと諭し、彼にキスをする。
恋愛映画を観ていたロレッタは感じることの意味をラスコーに尋ねる。またしても答えに困った彼はロレッタに想像力を期待して、ダンスパーティーで踊る男女の様子を説明しながら、彼女と共に動きを再現する。しかしロレッタは何も感じないと答え、ラスコーは落胆する。サマンサはロレッタを真似てダンスを練習するが、上手く踊れない。
♪Get Real♪
ラスコーは父親と共にハーシュトン・レコードのミーティングに参加する。ハーシュトンはラスコーに対し、スカイグラフとの提携でホログラムを量産する企画を提示するが、ラスコーは彼らがホログラムの持つ固有性を無視していることに気付き、ロレッタは単なるコンピュータープログラムではないと抗議する。ラスコーは彼女が感覚、思考、個性、感情を持っており、心や意思を備えた自主性ある存在であると主張し、父親も遂にその意見を擁護するが、フィブスはロレッタの蓄電池を取り上げる。
ラスコーの言葉に心を動かされたフィブスは、ロレッタというホログラムを含むこの世の全てのアーティストが自己の意思による決定権を持っていると考え、ハーシュトンに残るか、インターネットの世界に逃げ込むかの選択肢をロレッタに与える。ロレッタはインターネットの世界を選び、フィブスはハーシュトン・レコードを去る。
ロレッタの消息を掴めぬまま、ゼッタバイツは二度目のステージを迎える。サマンサはロレッタの代役を務めるため奮闘するも、ステージ上で転倒し昏睡状態に陥る。戻ってきたロレッタはサマンサが意識不明の状態にあることを知り、彼女を救うために脳波計を通じて彼女の脳内に侵入する。
サマンサの思考の領域に辿り着いたロレッタは、そこで自身の鬱積に囚われている彼女を見つける。ロレッタは周囲の人間に完璧な存在であると思われているのが嫌でたまらないこと、自身の経験から学ぶことのできるサマンサを羨ましく思っていることを打ち明ける。すると思考の領域にロレッタを連れたまま、サマンサの意識が回復する。脳内には一度に一人しか入れないことを知ったサマンサは、世界を体感させるためにロレッタに身体を貸す。初めて生身の肉体を手に入れたロレッタは病院の外へ出て雨に打たれ、後を追ってきたラスコーに自分は理想通りの存在かと尋ねる。彼はロレッタの理想こそが重要だと答え、完璧ではないからこそサマンサを選ぶと告げる。サマンサの身体に雷が落ち、再び目覚めた彼女は、ロレッタが二度と戻らないことを悟る。
サマンサはロレッタの死について歌い、ようやくラスコーと仲直りする。サマンサが歌い終わった時、バンドは演奏中に3人目のコーラスがいたことに気付く。スポットライトの中にうっすらとロレッタの姿を見つけたラスコーは、ゼッタバイツには守護天使がついているとサマンサに告げる。
♪When The Rain Falls♪
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