3パターンあるPVがどれも面白い。一つ目のビデオについてアーチャーによる解説。
製作費は全部で1000ポンドもかかってない。内訳はピザとビールと指導者たちのマスクだけ。他は全て友達からの協力で賄ったけど、二つ目のビデオを作った時、俺たちは前回よりも金を持ってた。シングルを作った当時はまだメジャーレーベルと契約する前で、小さなインディペンデント会社に所属してた。今も契約は続いてるけど、著作権は別のレーベルが持ってる。そんなわけで金欠だった俺たちはたった300ポンド(約6万円)でミニアルバムを作ったんだ。ステインズの車庫を借りて、古臭くてボロい上にしょっちゅう壊れるラップトップを使ってね。その中からシングルを出そうと思って、シングルを出すならビデオも必要だった。だけど俺たちには金がなかった。俺の連れにカメラに詳しい奴がいて、強盗映画を作ろうって話になった。強盗のドキュメンタリーを見て、U2のBeautiful Dayのビデオも ―あれにはもちろんCGが使われてるし、何万ポンドって金がかかってるんだろうけど、俺たちはこう考えたんだ。『頭を使おう。手持ちの素材と身の回りにあるものを利用しよう。俺たちはヒースロー空港のすぐ側に住んでるから、空港で本当に強盗をやろう。』それからロケハンに行って、飛行機が飛んでいく方角を確認して、ある朝早起きして、フェンスの向こうに荷物を運んで、支度して、リスクを背負った。最高のシナリオとしては何事もなく終わることだけど、そう上手くはいかないだろう。追い出されるとしても、まあ悪くはない。逮捕されたら厄介だし、撃たれたら死んじまう。それってかなりマズい。だけど俺たちはその時既に30分くらいそこにいたんだ。警備員は俺たちが大荷物を持ってる所も、ランウェイの端でギグをやってた所も見てたから、俺たちが許可をもらってると思ってた。一番厄介だったのは持ち込んだポータブルステレオで、それで音楽を流して口パクしてたんだけど、部屋の中では大音量で聞こえるのに、外に出たら頭上をボーイング747が飛んでて、地面が揺れてて、何も聞こえないんだ。だからよく見ると俺たちの動きは全然音楽に合ってなかったんだよ。バレる前に終わったけど。計画が上手く行くと気持ち良いよな。
(I Like Musicでのインタビューより)
金をかけずに印象に残るビデオを作ろうとしてた。そしてもちろん、空港が俺たちの目と鼻の先にあって、これは使えるなと思った。監督をしてくれた奴が観光センターに行って『このエリアに引っ越してくるんですけど、明日到着の飛行機ってどこから入って来るんですか?目をつけてる物件に影響するんじゃないか気になってて…』
そうやって飛行機が入ってくる方角を確かめて、フェンスの向こうに荷物を運んで、準備を進めた。ほんの数分だ。ここから抜け出せば全部終わる、って思いながらね。だけど俺たちを見かけた人たちは ― バンドが荷物を広げて演奏してるんだって思ってた人たちは、かなり不自然な状況だったのに、きっと許可を取ってるんだろうって勘違いして、そのままやらせてくれたんだよ。俺たちは必要なものを手に入れて、すぐにその場から引き上げた。
(Drowned In Soundsでのインタビューより)
無断で撮ってるとは思えないくらい堂々としてるのがすごい。最後にアーチャーが呟く"Oh... knickers!"は「そんなバカな!」という意味のスラングで、knickersは女性用の下着のこと。
二つ目は「キャッシュマシンのために働く」を文字通り体現してるビデオで、これがオフィシャル版。
三つ目は何で作ったのか知らないけど面白い。アーチャーによると「初めて携帯電話を手に入れたら人は何する?ポルノだろ。ネット上のトラフィックの大半がポルノだ。ポルノと音楽を融合させようと思ったらこんなビデオが出来た」そうです。使えるかどうかはともかく内容的には一部ポルノが含まれてるので年齢規制がかかったらしい。
イントロの鍵盤ハーモニカはアーチャーの担当で、ライブでも自分で吹いてます。アウトロのthere's hole in my pocketは民謡「バケツの穴」の原題There's A Hole In My Bucketのもじり。
アーチャーのボーカルは初期だから下手なんだろうなと思って2012年のライブを見に行ったら、相変わらず下手で面白かった。そして多分今も下手なままだろう。スタジオライブの映像だと普通に上手いのに何でだろう。興奮しちゃうのかしら。下手でもライブはすごい盛り上がった。
Go to a cash machine
To get a ticket home
Message on the screen
Says don't make plans, you're broke
No, no this can't be right
I know that time is tight
I've only just been paid
Three weeks five days, til I'm seen
Right...
No...
キャッシュマシンに立ち寄って
帰りの切符代を引き出す
スクリーンに浮かぶメッセージ
「計画は中止 あんたは破産」
おいおい 嘘だろ ありえない
もう発車まで時間がない
給料をもらったばかりなのに
あと3週間と5日間
どうやって凌げばいい?
無理に決まってる…
I scratch a living, it ain't easy
You know it's a drag
I'm always paying, never make it
But you can't look back
I wonder if I'll ever get
To where I want to be
Better believe it
I'm working for the cash machine
ギリギリの生活は楽じゃない
うんざりするよ
いつだって支払ってばかりで
終わりはない
だけど過去を振り返っても仕方ない
いつか望む場所に辿り着けるのかな
現実に向き合うべきかも
俺はキャッシュマシンを養う為に働いてるんだ
I try to phone a friend
My credit's in the red
I try to skip the fare
Ticket inspector's there
No no, this can't be right
I live an honest life
It seems like sometimes
You don't cross the line
You don't get
By...
No...
友達に電話しようとしても
カードは限度額を超えてて
キセルしようとしたら
監視員に見つかって
ああ 嘘だろ ありえない
真面目に生きてきたのに
時には 一線を越えられず
時には やり過ごすこともできず
どうなってんだよ…
I scratch a living, it ain't easy
You know it's a drag
I'm always paying, never make it
But you can't look back
I wonder if I'll ever get
To where I want to be
Better believe it
ギリギリの生活は楽じゃない
うんざりするよ
いつだって支払ってばかりで
終わりはない
だけど過去を振り返っても仕方ない
いつか望む場所に辿り着けるのかな
現実に向き合うべきなのかも
What am I gonna do
My girlfriend's test turned blue
We tried to play it safe
That night we could not wait
No no, this can't be right
She said it would be alright
I can't afford to be a daddy
So I leave tonight...
No...
どうすりゃいいんだ
彼女の妊娠検査器が陽性反応
安全第一でやってきたのに
あの晩だけは待ちきれなかった
ああ 嘘だろ ありえない
彼女は大丈夫だって言うけど
父親を務める余裕はない
だから今夜 出て行こう
ありえないっつーの…
I scratch a living, it ain't easy
You know it's a drag
I'm always paying, never make it
But you can't look back
I wonder if I'll ever get
To where I want to be
Better believe it
I'm working for the cash machine
Cash machine
Cash machine ...
ギリギリの生活は楽じゃない
うんざりするよ
いつだって支払ってばかりで
終わりはない
だけど過去を振り返っても仕方ない
いつか望む場所に辿り着けるのかな
現実に向き合うべきかも
俺はキャッシュマシンを養う為に働いてるんだ
キャッシュマシンの為だけに
There's a hole in my pocket, my pocket, my pocket
俺のポケットには穴が空いてる
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